ARゲーム『イングレス』のTVアニメが放送開始! 豪華声優陣の舞台挨拶で盛り上がった先行試写会をレポート

「イングレス」先行試写会 体験レポート

 皆さんは『ポケモンGO』をプレイしているだろうか? 同作はもちろん、Niantic(ナイアンティック)社による位置情報を活用したスマホゲームだ。Nianticは日本ではポケモンGOで広く知られた会社だが、それ以前にメガヒット作品をリリースしている。それが今回、アニメ化された『Ingress』(イングレス)だ。

Ingressとは?

 詳しくない人のために、原作となるゲームについて簡単に解説しよう。スマホ向けの拡張現実技術を利用したオンラインゲーム・位置情報ゲームとしてリリースされた「Ingress」は2つの陣営に分かれ、世界各所に存在する「XMポータル」を奪い合う陣取りゲームだ。

 ゲーム内のXMポータルの位置は現実世界とリンクしており、ポータルを占拠するには実際にその近くまで足を運ぶ必要がある。プレイヤーは緑がシンボルカラーのエンライテンド(Enlightened (ENL), 覚醒派閥)と、青がシンボルカラーのレジスタンス(Resistance (RES), 抵抗派閥)に分かれ、互いにXMポータルを奪い合う。エンライテンドは、人類を次のステージに引き上げるためにXMを積極的に利用しようとしている勢力のことで、レジスタンスは、XMを正しく制御していくべきだとする勢力のことだ。

 いわば大規模な“陣取り合戦”だが、その背景にはどんなストーリがあるのか。以下にその概要をまとめる。

Ingressのストーリー

 世界には人間の心身に対して”啓発的な”効果を及ぼす謎の物質が存在していた。CERNの実験で偶然発見されたこの物質は「エキゾチック・マター(XM)」と名付けられ、研究が進めらた。NIA(アメリカ国家情報局)はその研究のため、CERN付近に研究者を集め、「ナイアンティック計画(Niantic Project)」を立ち上げる。

 XMは秩序と知性を持つと考えられ、臨界量超えるXMを被曝した者は「シェイパー」と呼ばれる存在の影響を受け、彼らに侵略されるということが判明した。人類の文化や古代文明の発展も、その滅亡もシェイパーの影響によるものだったのではないかと考える者も出てくる。XMは全世界に分布していたが、とりわけ、文化的・芸術的・宗教的に重要な場所に密集しており、このような場所は「XMポータル」と呼ばれた。

 しかし、ナイアンティック計画は「啓示の夜」事件と呼ばれる、実験最終日のXM大量流出事故により崩壊。さらにどさくさ紛れに何人かの研究者が暗殺されるなどの大騒ぎとなってしまった。これによってXMの無限の可能性と危険性を知った研究者たちは、米中露の軍事企業やシェイパーを崇拝する結社などと組んで、それぞれシェイパーを助ける、あるいはシェイパーと戦う行動を開始した。

 研究者たちの一部はわずかな改造を施した携帯電話上で機能する「スキャナ」技術を開発し、これによって、実世界に存在するXMポータルを観察し、操作できるようになった。ところがほどなくスキャナ技術は漏洩してしまい、Google Playに「ゲーム」としてアップロードされた。以来、数百万にのぼる人々が、XMの性質や、その人類への影響などに関わる実験を行った。その結果、エンライテンドとレジスタンスという2つの派閥(Faction)が生まれたーーというのが、物語のあらましだ。

TVアニメ『イングレス』オープニング映像+予告映像

 さて、今回はそんなメガヒットゲーム作品『Ingress』のアニメ化(INGRESS THE ANIMATION)に際して、先行試写会と音声AR体験型ゲームイベントに潜入してきた。先行試写会では、アニメの1~4話が上映。詳しい内容は、すでに放送が開始されている本編を観てもらうとして、本稿では筆者が注目したポイントとも、上映後の舞台挨拶を中心にお届けしよう。


 まず、本作はゲーム版『Ingress』の世界観をうまく表現していると感じた。Ingressは現実世界と仮想空間のリンクが大きな特徴だ。XMは現実世界に存在する、だが、スキャナを通してでしか見ることができないーーそういった「表裏一体の存在」としてのリアルとバーチャルをしっかりと表現しており、日常に隠れている非日常を覗き見ることができた。


 Ingress特有の世界観を楽しむのはもちろんだが、アクションシーンからも目が離せない。アクション映画さながらの迫力あるアクションシーンは、多くのアニメを見てきた人でも飽きることなく見ることができるだろう。フルCGということもあり、銃器、エフェクト、動きなどがリアルに近いので、アクションシーンも迫力満点だ。

 メインビジュアルでも表現されている緑のレジスタンスと青のエンライテンドの対立はアニメでも健在だ。双方の思想の違い、密かに進む謎の研究、そしてサラに課せられた役目とは……おっと、あまり言うとネタバレになりかねないので、続きは皆さんの目で確認してほしい。続いて行われた舞台挨拶に、話を移そう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる