新しい地図『略してブラリク』なぜメルカリで無料配信? 背景には新サービスの存在も

 「新しい地図」の稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛が、福岡エリア限定ながら地上波に復帰した。しかも、福岡エリア外にいるファンもフリマアプリ「メルカリ」から3人の活躍を視聴することができる。このメルカリの試みは、一見するとマーケティングの一環に過ぎないように感じられる。だが、今年8月に同社が行った決算報告を参照すると、3人を起用したマーケティングの次なる一手が予感できるのだ。

『略してブラリク』を見たければ……

 新しい地図公式サイトのプレスリリースによると、番組スタッフや町の人からのムチャブリすなわち「ブラックリクエスト」に応えながら待ちブラする番組『略してブラリク』は12月1日と12月15日、福岡エリア限定で地上波で放送される。福岡エリア以外で視聴したい場合は、メルカリアプリ内ホーム画面上部の「略してブラリク メルカリ限定無料配信中!!」と記載された特設バナーより動画公開ページへアクセスすることになる。ただし、視聴にはメルカリに会員登録してログインしなければならない。ちなみに、同アプリ内のニュース記事によると、メルカリから視聴する同番組動画は地上波未公開部分も含んだ特別バージョンである。

 当然ながら、3人の活躍を見たいファンは福岡エリア外にも住んでいる。そうしたファンが同番組を視聴したければ、必然的にメルカリに会員登録することになる。結局のところ、メルカリが同番組を配信するのは新規ユーザを獲得するためなのだろうか。

メルカリが見ているもの

 メルカリのマーケティング戦略を考察するうえで、重要なのが同社株式上場後に初めて行った今年8月の決算報告だ。その報告を報じたマーケティングニュースメディア『DIGIDAY』によると、平成30年6月期(平成29年7月1日~平成30年6月30日)は売上高は前期比62%増の約357億円であるものも、営業利益は44億円の赤字だった。赤字決算の理由として説明されたのが、先行投資である。

 同社が先行投資している分野は、海外事業と新規事業である。海外事業では、主としてアメリカ市場に進出するために設備投資を行っている。新規事業では、メルカリアプリに続く新たな事業の柱の構築を目指している。そうした柱として同社が注力しているのが、決済サービス「メルペイ」だ。

 「メルペイ」とは、メルカリユーザーが商品販売によって発生した売上を同サービスのアカウントに集約し、提携する加盟店での支払いに利用することができるというものだ。メルカリは、加盟店からの手数料から収益を得ることとなる。そして、同サービスはメルカリのブランドの名のもとにユーザの経済活動を囲い込む「メルカリエコシステム」の言わば軸となることが期待されている。

 現在、メルカリの売上のほぼすべてはフリマアプリから得ている。その売上を「メルペイ」を立ち上げに投じている結果として、同社は赤字となったのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる