経済産業相も期待表明、メルカリアプリ内で使えるメルペイが“強い”理由

メルカリアプリ内で使えるメルペイが勝てる理由

 メルカリの新サービス「メルペイ」の事業戦略発表会「MERPAY CONFERENCE 2019」が渋谷ヒカリエホールで行われた。

 「メルペイ」は既存のメルカリのアプリだけで使用できるスマホ決済サービス。今までは現金に換えていたメルカリ内の売上金を、電子マネーとしてコンビニやファミレス、スーパーなどで利用することが可能になる。フリマアプリ最大手のメルカリの新サービスということもあり、会場は満員。

 メルカリCEOの山田進太郎氏、メルペイ代表取締役の青柳直樹氏、メルペイ執行役員・BusinessDevelopment and Sales担当VPの山本真人氏が登壇し。イベントの状況は生配信されるなど、会場外も盛り上がっていたようだ。

 そもそもPay PayやLINE Payなど競合が多いキャッシュレス決済事業だが、「メルペイ」にはどんな特徴があるのか。

 「現在、メルカリには月間1200万人のアクティブユーザーがおり、平均月間利用時間は5.3時間と、SNSに負けない利用率を有します。また、すでにメルカリを通じて発生している年間5000億円の売上金は月々の収入とは別の臨時収入です。いらないものを売ったことで得た“生活するためのお金とは別のお金”なので、新たな消費需要を喚起するのではないかと考えております」

 また、非接触型決済開始するにあたり、三井住友カードと事業提携を開始。全国90万箇所の「iD」加盟店での利用が可能になった。

 他にもQRコード決済加盟店で利用するためJCB、KDDIの2社とタッグを組むなど、業界大手の企業とのパートナーシップを次々と発表。

 新規の決済サービスでありがちな初期段階での加盟店の少なさを既存のネットワークがある「iD」で解消したと同時に、KDDIが持つ営業力と加盟店拡大のノウハウを手に入れたことになる。また、ユーザーの側の負担もかなり軽減されているという。

 「スマホ決済にありがちな面倒な入会やチャージの手間はありません。全ていまご利用いただいているメルカリのアプリ内で完結します。売上金を保有していないお客様にしても、メガバンクを含めた全国31行の銀行口座から直接チャージできるようになっております」

 また現時点でもセブンイレブンをはじめとした大手コンビニ、イオンを含めたスーパー、ファミレス、ドラッグストアでも使用が可能だという。

 では、加盟店にとってメリットはあるのだろうか?

「決済手数料は1.5%いただいく予定です。しかしこちらは長年変わらない数字です。クレジットカードの手数料と比べるとかなり少額の負担かと思われます。またメルカリを利用するユーザー様のビッグデータを元に加盟店様と共に新たなサービスや商品の開発を行っていきます」

 QRコードや非接触型決済にも対応しているので、店頭スタッフの負担も軽減されそうだ。現在はiOSのみに対応しているメルペイだが、2月末から3月初旬にかけてはAndroidでも使用が可能になる。デバイスや居住地で差が出ることのないサービスになることを予感させた。

 会の最後には世耕弘成経済産業大臣から「日本のスタートアップであるメルカリが日本のキャッシュレス化を進めるのは素晴らしい」とビデオコメントが届いた。

 2018年6月にフリマアプリという前代未聞のサービスで東証マザーズ上場を果たしたメルカリ。まだまだキャッシュレス発展途上国である日本に、メルペイで新しい習慣と文化を作ることができるのか、期待が高まる。

(取材・文・撮影=ミーネ夏彦)

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