アバンティーズ再出発に際し、YouTuberたちが動画サムネイルの片隅で送った“静かなエール”

 1月1日にメンバーのエイジさんを亡くし、活動を休止していた人気YouTuberグループ・アバンティーズが3月8日、『アバンティーズ、今日から再出発。』と題した動画を公開し、再始動を宣言した。

アバンティーズ、今日から再出発。- Now Here! Avntis

 アバンティーズは中学生時代から動画投稿を行なっていた、リーダーのそらちぃ、リクヲ、ツリメ、そしてエイジさんの4人で結成された人気グループ。実験やドッキリというYouTuberらしい企画はもちろん、ドラマや映画の制作、音楽でも才能を発揮し、現在は150万人を超えるチャンネル登録者を抱える、若者たちのカリスマだ。エイジさんの急逝はファンにも、動画クリエイターにも、社会的にも大きな衝撃となり、アバンティーズが所属するUUUMの主催により、2月27日に開かれた「お別れ会」には、ファン・関係者合わせて7000人以上が参加。特設サイトに寄せられたメッセージは約8万件に及んだ。

 今回の動画では、再始動を決意した3人が、明るくおちゃめな表情を見せている。多くのカットが使われたミュージックビデオ風の仕上がりで、少しいたずらな雰囲気もあるシティポップ(TWEEDEES「à la mode」)が、アバンティーズのイメージにぴったりだ。3人での再始動を印象づけながら、動画概要欄にはしっかり、エイジさんの名前が刻まれていた。

 3月8日の再始動は1日に告知されており、多くのYouTuberがそれを認識していた。この日に投稿された動画のサムネイルはアバンティーズ仕様ーー左上の角を三角形に塗ったものが目立つ。それはヒカキン、はじめしゃちょー、フィッシャーズ、水溜りボンド、東海オンエアなど、アバンティーズと同じUUUM所属の人気クリエイターだけでなく、事務所や活動ジャンルの垣根を超えたひとつのムーブメントになっていた。


 同日、水溜りボンドのトミーが「ハワイからの帰り、飛行機からふと外を見たらそらが真っ赤だった。4人の可愛い可愛い後輩に全力の静観と全力のえこひいきを誓う。」とのツイートをしていた。「全力の静観」とは聞き慣れない言葉だが、「何でもしてあげたい」という思いをこらえて拳を握り、いまはアバンティーズの力を信じて見守るときだ、という意志が伝わってくる。多くの動画でサムネイルの片隅をそっと彩った三角形は、仲間でもライバルでもあるYouTuberたちからの、静かなエールだろう。

 心強いエールを背中に受けて再出発の第一歩を踏み出したアバンティーズは今後、どんな動画を展開してくれるのか。期待して見守りたい。

(文=橋川良寛)

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