元へきトラハウス・へきほーインタビュー 解散後の心境、初個展開催の経緯を語る「動き出すことができたのはエイジの影響」

元へきトラ・へきほー語る“解散後の心境

 思い切りがよすぎる性格と憎めないキャラクターで、多くのファンを抱える人気YouTuber・へきほー。4月6日には所属していた3人組グループ・へきトラハウスが発展的解散を発表し、それぞれが「本当にやりたいこと」にフォーカスすると発表していたが、その第一歩として、へきほーは初の単独個展「お前らYouTubeなんて見るな個展見ろ」を5月4日〜6日までの期間中、デザインギャラリーフェスタ原宿で開催する。個展の準備を精力的に進めるへきほーに、そのコンセプトや開催経緯、解散後の心境までを聞いた。(編集部)

「エイジに尊敬されるものを描きたいなと思って……」

ーーへきほーさんといえばイラストや書道の腕前が以前から評判でしたが、専門的に勉強した経験があるのでしょうか。

へきほー:絵はとくに習ったことはないんですけど、もともと好きで、よく授業中とかに描いた絵を友達に見せて「気持ち悪い!」って言われて引かれることを楽しんでいたんです(笑)。書道のほうは、小学校1年生の時から14年くらい書道教室に通っていました。

ーー個展のメインビジュアルは神々しいものになっていますが、どんなコンセプトで制作していますか?

へきほー:思いついたものをどんどん描いているんですが、基本的に書道と絵の合体みたいなところで、「グロテスク」まではいかないけれど、和のテイストが混ざった「気持ち悪いけれど、少し可愛らしくカオスなもの」を描きたいと思っています。

ーー「気持ち悪い」という感情もエンターテイメントになる、という発想ですが、そう思われたいという願望は、YouTubeでの活動にも影響していますか?

へきほー:めっちゃ影響してると思います! 本当に初期の頃はえぐいことばかりしていましたし、人が引いてしまうような気持ち悪いものを見せたいんだと思います。感情の裏返しというか、人と接することがあまり上手じゃないので、まず「こいつ何?」って思われたいというか。イラストや書道で表現するのも、コミュニケーションの手段なんですよね。

ーーなるほど。へきほーさんが作品制作で影響されたアーティストはいますか?

へきほー:高校生の時からずっと野性爆弾のくっきーさんが好きです。最近も「くっきーランド」(中国や台湾でも開催された、くっきーの巡回展)に行きました。くっきーさんはえぐさを「おもしろい」に昇華しているのがすごくて、驚かされますね。ずっとアングラでやっていくのかなと思っていたので、いま世間で認められてテレビ出演が絶えないのもすごいと思っています。あとは会田誠さんや田名網敬一さんにも影響されています。

ーー以前から個展を開きたいという思いは語られていましたが、今回、開催に至ったのはきっかけがあったのでしょうか。

へきほー:確かにずっとやってみたいと思っていて、一昨年くらいから動画の中でも「やりたい」と話していたんですよね。でも、全然実行に移せなくて。本当に開催に向けて動き出すことができたのは、やっぱりエイジ(人気YouTuberグループ・アバンティーズのメンバー。2019年1月1日、旅行先のサイパンで亡くなった)の影響です。彼が「へきほーさんのことめっちゃ尊敬してます、絵がめっちゃ好きです!」って、すごい褒めてくれてて、彼に尊敬されるものを描きたいなと思って……という綺麗事っすかね(笑)。でも、人間はいつ死ぬかわからないしーー。

ーーやるべきことはやろう、と。そんな個展に、どんな人に来てもらいたいですか?。

へきほー:ファンの人はそんなに来て欲しくないです!(笑) 僕じゃなくて、作品を見に来てほしいというか……。なので、1人のアーティストとして見てほしいです。今回はYouTuberじゃなくてアーティストなので!(笑)

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