Netflix「E3」での発表はゲーム業界を変えるか? “ストリーミング”化する市場との相性を読む

 アメリカの映像ストリーミング配信大手Netflixが、6月11日から13日に米国ロサンゼルスで開催されるビデオゲーム関連イベント「E3(Electronic Entertainment Expo)」に参加し、ゲームに関する多くの発表を行うことが分かった。

ゲーム業界参入を予告

 E3コロシアムのホストであるジェフ・ケイリーが5月13日、Twitterで「特別e3コロシアムパネルとしてNetflixを迎えます。ゲーム界での計画についてのニュースがあります」と明かした。投稿されたE3コロシアム2019のバナーには「お気に入りのショーに息吹を:Netflixのオリジナルからビデオゲームを開発」と書かれている。これに基づき、米国メディアGameSpotは、「Netflixオリジナルの映画に基づくゲームをつくることについて語るだろう」と報じている。

 Netflixは昨年、インタラクティブ映画「Minecraft: Story Mode」と「Black Mirror: Bandersnatch」をリリースした。一体どのオリジナル映画をゲーム化するのだろうか。

 現在、シーズン3の配信が発表されている人気SFドラマ『ストレンジャー・シングス』のゲームが開発中といわれており、NetflixはTwitterで「もちろんストレンジャー・シングスのゲームについてもですが、まだまだ沢山あります!」と、発表の一部については、『ストレンジャー・シングス』に関連することを認めつつも、更なる発表があると含みを持たせている。

「異業種のゲーム参入」は、日本で例えるなら……?

 Netflixが携わる事業の主軸である映像配信とゲームは、全く異なる業界であり、もしゲーム産業に本格参入することになれば、これは大きなニュースだ。

 別業界からのゲーム参入は、日本ではmixiの例がよく知られる。同社が運営するSNSのmixiが、海外勢に押されて窮地に立たされると、ゲーム開発に参入し、2013年にローンチしたスマホ向けゲーム『モンスターストライク』が大当たりし、業績を一気に立て直した経緯がある。

 Netflixもmixiもテクノロジーの知見があるということでは共通しているが、参入時点での経営環境は大きく異なる。ゲーム参入時のミクシィは、SNS事業の不振から、事業の方向転換を強いられたが、Netflixは、2019年第1・四半期の売上高見通しが市場予想を下回り、株価の下落がみられたものの、2018年第4・四半期には、有料契約者数の伸び過去最高を記録しており、業績は決して悪くはない。では、なぜNetflixはゲームに向かっているのか。

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