海外有名ゲーム配信者「Ninja」、TwitchからMixerに“莫大な金額”で電撃移籍&独占契約

 米国シカゴ郊外に住むプロゲーマーでストリーマーの「Ninja」こと、リチャード・タイラー・ブレヴィンス氏は8月1日、Mixerでの活動を開始することを発表した(参考:www.mixer.com/Ninja)。

MicrosoftのMixerと独占契約、条件は不明

 NinjaはTwitchでの『Fortnite』配信などで絶大の人気を誇っていたが、競合するMicrosoftのMixerと独占契約を結んだ。Ninjaの契約条件は明らかにされていないが、ライブストリーミングサイトのTwitchは、最大のスターを失うことになる。

 Ninja本人曰くTwitch、YouTube、Instagram、Twitterといったオンラインで、4000万人にものファンが彼をフォローしているという。今回の契約をまとめたNinjaのマネージメント会社、LoadedのCEOブランドン・フレイタグ氏は「NinjaとMixerのコラボレーションは、ストリーマーやゲーマーにとって大きなパワーになるものです。 Ninjaのファンのために開かれるすべての機会をとても楽しみにしています」と声明を発表した。

 このことについて、『Forbes』は「NinjaがTwitchからMicrosoftのMixerに独占契約でジャンプ」「NinjaはMixerを代表するアイコンになるだろう」と報じた(参考:https://www.forbes.com/sites/dbloom/2019/08/01/twitchs-biggest-star-ninja-joins-microsofts-mixer-in-exclusive-programming-deal/#5c554d6f6550 参考2:https://www.forbes.com/sites/paultassi/2019/08/01/fortnite-star-ninja-leaves-twitch-for-mixer-with-new-microsoft-deal/#5e1462a4183a

Ninjaとの契約は『Mixer』追い上げの切り札となるか?

 Mixerは、Microsoftが2016年に買収したBeamが前身だ。ライブストリーミング・プラットフォームStreamElementsによると、TwitchはWeb上のすべてのゲーム関連のライブストリーミング・トラフィック(視聴時間)の約4分の3(72%)を占めており、MixerはYouTube LiveやFacebook Gamingに次いで4位で、トラフィックの約3%にとどまっている。Twitchはインターネット上で最大のビデオゲーム・ストリーミングプラットフォームで他を圧倒している。

 Forbesは「これはNinjaに痛手にはならないと思うが、それが実際にMicrosoftが望んでいるMixerへの後押しになるかどうか疑問に思う。ゲームストリーミングの主要企業であるTwitch(Amazon)、YouTube(Google)、Facebook(Facebook)、Mixer(Microsoft)のうち、Mixerは、ストリーマーと視聴者数の面で間違いなく後れをとっている。Mixerは長い間、Xbox Oneダッシュボードのフィーチャーであり、PCやXboxのストリームを直接コンソールに提供しているが、まだブレークの瞬間を見ていない。おそらく、Microsoftは、これ(Ninjaとの契約)でブレークすることを願っているのだろう」と分析する。

 『CNBC』は「これは、AmazonのTwitchサービスに遅れをとっているMicrosoftのMixerにとっての勝利だ」と報じた(参考:https://www.cnbc.com/2019/08/01/tyler-ninja-blevins-moves-from-twitch-to-microsoft-mixer.html)。

 なお、MicrosoftのCEOであるサティア・ナデラ氏は以前の決算発表で「Xbox Liveの月間アクティブユーザー数は5700万人に達し、Mixerの利用が急増しています。この忠実で価値の高いコミュニティは、当社の最強のアセットであり、ファーストパーティーとサードパーティーのゲームの収益化を拡大しています。Fortniteはその好例であり、記録的なソフトウェアとサービスの収益とエンゲージメントが弊社プラットフォームで進行しているのを目の当たりにしています」と述べている。

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