ディズニー、アニメーションを実際のロボットにマッピングする技術を開発

ディズニー、アニメをロボットにマッピングする技術開発

 米国カリフォルニア州のロサンゼルス・コンベンション・センターで7月28日~8月1日、コンピューターグラフィック、アニメーション、VR、ゲームに関するイベント『SIGGRAPH 2019』が開催され、ディズニーも出展した。

 ディズニーの研究者は、CGIモーションアニメーションを実際のロボットにマッピングするソフトウェアを開発し、バーチャルな動作を物理的な世界に移す際に、新技術により揺れを取り除くことに成功したことを発表した(参考:https://thenextweb.com/shareables/2019/07/31/disney-research-robotic-characters-vibration/)。

課題は振動、ディズニーの新しい防振技術で解決

 研究者らは、バーチャルキャラクターで広い範囲の動作をつくり出すことは簡単になってきているものの、それらの動きを実際のロボットに適用するには機械部品のサイズ、重量、配置によって生じる制約のために課題があるとしている。

 速い動きと避けられない構造的な変形は、ロボットキャラクターのパフォーマンスに悪影響を及ぼす機械的振動を引き起こすと研究者らは説明する。「私たちの目標は、従来のアニメーションソフトウェアを使用して作成されたモーションを、複雑な手順を踏むことなくロボットのキャラクターに自動的に移すことです」

 この問題を解決するために、ディズニーは不要な振動を抑制する特別なモーション・リターゲティング・システムを開発。その後、ドラムを叩く動きやボクシングの動きをする子供サイズのアニマトロニクス・フィギュアといった5つの異なるロボットでテストされた。

 とはいえ、実装には解決すべきいくつかの問題がまだあるようで、先述の記事で研究者らは「私たちのシミュレーターは、物理的なキャラクターの動的な反応をうまく捉えています。ただし、シミュレートされた力学と物理システムとの間には、まだある程度の差異があり、小さな残留振動が発生していることが分かります」と述べている。

ディズニーはこれまでもロボットを活用した事例が

 エンターテインメント大手のディズニーがロボットを使った実験的取り組みを行なったのは今回が初めてではない。

 『The Next Web』は以前、「ディズニーの新しいアニマトロニクスロボットはリアル過ぎる」というヘッドラインで、ディズニーが作成したクマのプーさんに登場するティガーに似たホッピングロボットについて報じていた(参考:https://thenextweb.com/shareables/2016/10/07/disney-hopping-robot/

 ディズニーのイメージニアリングのチームは、アニマトロニクスとデジタルスクリーンを組み合わせたり、一本足のロボットを操作したりするなど、有名なキャラクターを実世界で再現するための様々な方法を試している。

 ロボットだと言われなかったら、CGIだと思ってしまうくらいよくできている。そのシーンが現実のものであるという兆候は、ほとんどなく、ほんのわずかな特徴により、それが実際の人形であることが分かる。

 2つの圧縮バネのある並列ボイスコイル・アクチュエーターで構成される並列線形弾性アクチュエーター(LEAP)により、このロボットは一本脚で安定することができ、2つのサーボモーターは、ロボットが上下に跳ぶことを確実にするのだという。

 ディズニーはまた、超リアリスティックなアバターをテーマにしたアニマトロニクスの研究も行なっている(参考:https://thenextweb.com/shareables/2016/11/29/disney-robots/

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