エレカシ 宮本浩次、他者から引き出される“新たな顔” スカパラ、椎名林檎…コラボ続きの要因探る

 椎名林檎と宮本浩次のコラボ楽曲「獣ゆく細道」が、『news zero』(日本テレビ系)のエンディングテーマとして10月1日からオンエアされた。この日からこの番組のエンディング曲が椎名林檎になること、彼女とは初共演のあるアーティストが客演していることは放送の4日前に発表されており、「誰だろう?」と、ファンの間で予想合戦が行われていた。僕の見る限りでは「小沢健二」という読みの人が多かったが、そう読んだ人も、読まなかった人も、椎名林檎のファンも、宮本浩次のファンも、とにかくみんなびっくりしたのではないか、と思う。

椎名林檎と宮本浩次-獣ゆく細道

 私もとても驚きました。この3日前の9月29日に、東京スカパラダイスオーケストラの次のシングル(11月28日リリース)『明日以外すべて燃やせ』のフィーチャリングボーカリストが宮本浩次であることが発表になったばかりだったが、曲自体は公開されていない、という状態で、この椎名林檎×宮本浩次の方が先に世に放たれた。という意味でも、インパクトが大きかった。

 そもそも宮本浩次、客演するとか誰かと一緒にやるとかなんて、昔は絶対考えられない人だったけど、2010年の『JAPAN JAM』でCharaと共演したあたりから変わり始め、今年2018年は3月にさいたまスーパーアリーナで草野マサムネ、桜井和寿とトリプルボーカルで「ファイティングマン」を歌い、4月には『ARABAKI ROCK FEST.』で菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)、田島貴男、TOSHI-LOW(BRAHMAN)・yui(FLOWER FLOWER)、村越弘明、仲井戸”CHABO”麗市、山田将司(THE BACK HORN)を自身のステージに招いた。

 それから、エレファントカシマシ、2017年3月から始まったデビュー30周年プロジェクトが2018年3月のさいたまスーパーアリーナ2Daysで一区切りしたあとも、ニューアルバムの制作→リリース→そのツアー&それらの合間に春フェス夏フェスに多数出演、と過密スケジュールがノンストップ状態で続いていたので、9月に全部終わって新春コンサートまで休み、というこの時期が「今だ! 今しかない!」というタイミングだったのもあるかもしれない、椎名林檎的にも、スカパラ的にも。本人としても、これが1年前のオファーだったら、やりたくても物理的に不可能だっただろう。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる