Perfumeが次に越えるのは“世界”への境界線? 挑戦の1年振り返りと2019年への期待

挑戦の連続だったPerfumeの2018年

Perfume『Future Pop』

 「挑戦」。2018年のPerfumeの活動を一言で表すと、この言葉に集約されるのではないだろうか。

 2018年の大晦日にファンクラブ限定のカウントダウンライブを横浜アリーナで開催し、そこから『NHK紅白歌合戦』(NHK総合/以下、紅白)に中継で出演したPerfume。紅白では直近の全国ツアーでオープニングを飾った「Future Pop」と「エレクトロ・ワールド」の流れを披露し、「エレクトロ・ワールド」ではリアルタイムでの映像処理を駆使して「紅白のPerfumeは何かすごいことをやってくれる」という周囲の期待に応えるパフォーマンスを見せた。

 また、カウントダウンライブでは2017年から続いているNTTドコモとのコラボレーションの一環(「FUTURE-EXPERIMENT VOL.04 その瞬間を共有せよ。」)として5Gや高効率Wi-Fiが活用され、会場のオーディエンスや渋谷のサテライト会場に集まった観衆とのより密なコミュニケーションが実現した。

 初の中継での紅白出場、最新の通信技術を駆使したカウントダウンライブ。これだけでも十分に大きな挑戦だが、2018年のPerfumeはそれ以外にもたくさんの刺激的な取り組みに足を踏み出している。

 2月に行われたファンクラブ限定の全国ツアー『P.T.A.発足10周年!! と5周年!! “Perfumeとあなた”ホールトゥワー』の初回公演では、セットリストをファンからのリクエストによって決定。流れを作り込んだ普段のライブとは違う、純粋に曲のパフォーマンスで場を盛り上げるステージを披露した。

 3月にはNHKホールで『This is NIPPON プレミアムシアター「Perfume × TECHNOLOGY」presents “Reframe”』を開催。MCを挟まず、3人のパフォーマンスとテクノロジーを介したステージ演出のみで1時間のライブをやりきった。

 8月にリリースされた2年半ぶりのアルバム『Future Pop』では前作『COSMIC EXPLORER』の壮大な趣とは異なる自然体な世界を展開し、そのアルバムを引っさげてのツアーでは「『Reframe』の流れを踏襲してMCなしで曲をやり続けるパートを序盤に配置」「最近のツアーでは中盤に必ず盛り込まれていたテクノロジーを前面に押し出すパートを封印」という形でライブのフォーマットの更新に乗り出した。

 またツアーと並行してTikTokへの投稿を開始。もはや「当たり前」であるゆえにあまり取り沙汰されなくなった高度なダンススキルに再度注目が集まった。この取り組みを通じて改めてPerfumeの存在を意識した人たちも多数いるのではないだろうか。

 アルバムのリリース年にグループとしての動きが活発化するのは通例ではあるが、2018年のPerfumeはその流れにとどまらないチャレンジを随所で見せてくれた。ファンとしても非常に楽しい1年であったことは言うまでもない。

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