SCANDAL、『Fuzzy Summer Mood』ツアーで披露した新曲「Fuzzy」に込められたメッセージ

SCANDAL、新曲に込められたメッセージ

 6月にスタートした、SCANDALのライブツアー『SCANDAL TOUR 2019 “Fuzzy Summer Mood”』が、7月11日に東京・Zepp Tokyoで全15公演のファイナルを迎えた。大規模なツアーの開催は、プライベートレーベル<her>を設立後初で、昨年の『SCANDAL TOUR 2018 「感謝祭」』以来となる。会場がサウナと化したファンの熱気の中で行われたライブは、新曲「Fuzzy」を含めた当日限りのセットリストでファンを圧倒した。

激アツのセットリストに会場が沸騰

 ライブ当日は平日の木曜日で、天気はあいにくの雨模様。それにも関わらず、数多くのファンがZepp Tokyoに集結した。120%の集客によってパンパンに膨れあがったフロアは、熱気に満ちあふれ、雨による湿気も手伝って、まるで蒸し風呂状態。久しぶりのツアーに対する期待度の高さが感じられた。

 1曲目は、プライベートレーベル<her>からの第1弾シングルに収録された1曲「マスターピース」。SCANDALが新しい一歩を踏み出したこの曲で、まるで意思表明をするかのごとくライブが始まった。RINA(Dr,Vo)の豪快なドラミングと、MAMI(Gt,Vo)のノイジーなギターリフが鳴り響くと、会場は一気に沸き立ち、息を合わせたかのように「オイ! オイ!」というかけ声が、会場にこだました。HARUNA(Vo,Gt)が口ずさむように歌うメロディは軽やかで、まるで背中に羽が生えたようだ。日頃たまったうっぷんや苛立ちを洗い流してくれるような爽快さで、観客を出迎えてくれた。

 続く「お願いナビゲーション」は、観客をどこまでも遠くへと引き連れていってくれそうな疾走感のあるナンバーで、高速を車で走るような爽快感が会場を包み込む。「東京、踊る準備はできていますか?」という問いかけで始まった「テイクミーアウト」。お祭りのようなビートに合わせて、MAMIもステージを跳ね回りながらギターを弾く。観客も〈Pa-pa-ra pa-pa-pa-ra〉というコーラスを一緒に歌いながら、ビートに身を委ねてジャンプした。そして「Rising Star」を繰り出すと、ヌケ感のある心地良いサビメロが会場に広がり、HARUNAの「もっともっと来いよ〜!」という声に、観客の熱気がさらにアップした。

 この日は、「このツアーでいちばん激しいセットリストを持ってきた」とのこと。デビューから10年のライブを彩ってきたナンバーがずらりと並び、ライブの鉄板ベストといった雰囲気で、観客を歓喜させた。ハイスピードのビートとヘヴィな展開で、クラップとヘッドバンギングで盛り上がった「LOVE SURVIVE」。サビで大合唱が広がった「Flashback NO.5」は、キメのチョーキングに観客が沸き、RINAも立ち上がってスティックを掲げる。「太陽スキャンダラス」では、〈Nanana…〉というコーラスを観客が一緒に歌い、HARUNAもシャウトするようなボーカルを聴かせた。

 激アツのセットリストに、「自分たちで考えたから、覚悟はしていたけど」と言いながら、観客の反応の良さにうれしそうな表情を見せるHARUNA。「何の曲をやるか、みんな想像して待っててくれたと思う。でも東京のみんななら、これくらいはついてこれると思っていた」とRINA。観客の汗と熱気が入り交じった空間で、TOMOMI(Ba,Vo)とMAMIも客席を眺めながらうれしさを表情ににじませた。

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